「砂漠でサーモン・フィッシング」
「トリフィドの日」
おまけ「桐島、部活やめるってよ」
「砂漠でサーモン・フィッシング」を見ました。
原作は
Salmon Fishing in the Yemen、著者はPaul Torday。
http://www.amazon.co.jp/Salmon-Fishing-Yemen-Paul-Torday/dp/0753821788
翻訳は『イエメンで鮭釣りを』、ポール トーディ 著、小竹 由美子 訳、白水社刊
アマゾンに出ている出版社のコメントによると、著者トーディは「2007年に本作でデビュー。たちまち評判を呼び、60歳にして遅咲きのベストセラー作家となった」そうです。
映画タイトルの「砂漠」はイエメン(英語名は定冠詞が付く)のことですが、映画の撮影はモロッコで行われたようです。
奇想天外な話なので、どの程度現実性があるのか知りたくて、小説も読んでみたくなりました。映画のセリフは聞き取りやすく、職場での会話が多いので、英語教材としても向いていると思いました。小説のほうの文章も読みやすそうです。
テレビで「パニック・イン・ロンドン」というテレビ映画を見ました。
このタイトルでは完全なるB級というイメージになってしまいますが、原作はジョン・ウィンダムJohn Wyndham Parkes Lucas Beynon Harris (1903〜1969)の「トリフィドの日」(
The Day of the Triffids)。私はこのタイトルで馴染みがありますが、「トリフィド時代」というタイトルの翻訳も出ていて、この方が意味としては良いようです。映画の中でも主人公が「人類の時代は終わって、トリフィドの時代が来た(the day of the Triffids has come)」と言っていました。
テレビ映画は現代的に翻案されていますが、基本的には同じ内容です(原作を読んだのは、はるか昔なので、詳細は覚えていません)。「ラストデイズ・オブ・ザ・ワールド」というタイトルでDVDになっているようです。
*1
Oxford Bookworms Library (Stage 6)
Meteor and Other Storiesにはウィンダムの短編が4編retoldで含まれています。またOxford Bookworms Collectionの
A Window on the Universeには"Stitch in Time"が原文のまま収録されています。
Penguin Readersには
The Chrysalidsのリトールド版があります。以前にテキストとして使ったことがありますが、これはダメでした。リトールドの仕方の問題もあったと思いますが、そもそもリトールドは何週間もかけて読むものではなく、一気にストーリーをたどって読むことにしか耐えない物だと思います。それ以来、テキストとしてリトールドを使ったことはありません。*2
英語ではないけれど、しばらく前に「桐島、部活やめるってよ」も見ました。
同名の原作小説は朝井リョウ作、集英社文庫で出ています。
小説の方は、登場人物一人ひとりを各章の中心に据えて、それぞれの視点から書かれています(と立ち読みして思ったので、詳細に読んだら違うかも?)。映画の方も、やはり同じ日の同じ場面を、違う視点で描いています。名作「藪の中」を思い出しました。
著者が大学在学中のデビュー作で、監督が文庫版のあとがきに書いていたように、高校生と近すぎず遠すぎない微妙な距離感がすごいと思いました。