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英米文学の世界
陽ざかりの道
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    JUGEMテーマ:日本文学

    『陽ざかりの道』は寺久保友哉(てらくぼ ともや)著の第七十六回芥川賞候補作。

    知人とのメールのやり取りの中で、何かのきっかけでこの作品を薦められたのですが、
    どこを探してもありません。読めません。
    寺久保友哉の作品は「1976年から1977年にかけ芥川賞候補に連続4回ノミネートされたが、いずれも受賞には至らなかった(第75回『棄小舟』、第76回『陽ざかりの道』、第77回『こころの匂い』、第78回『火の影』)」
    「1978年発表の『翳の女』は、1987年に『恋人たちの時刻』のタイトルで映画化。澤井信一郎が監督し、野村宏伸・河合美智子・真野あずさらが出演した。2004年にはDVD化されている。」…ウィキペディアより
    ということで、決してマイナーと片付けてよい作家でも作品でもないはずなのですが、
    アマゾンでも中古の本しか手に入らないし、地元の公立図書館にも、ほとんどありません。
    そもそもこの『陽ざかりの道』については、書籍としては出なかったのではないかと思われます。

    結局、この作品を薦めてくれた知人が持っていた『文芸春秋』の切り抜き(!!)をもらって読みました。

    おもしろいではないですか!

    私のイメージでは芥川賞というより娯楽作品のようですが、それはおそらくサスペンスが大きな要素になっているから。
    描かれる出来事が互いに対照をなしていて、大学のCreative Writingコースの修了生作家の作品のような感じがしますが、整理された内容は好印象です。

    雑誌『季刊文科』第53号で雑誌編集者の高橋一清氏が、芥川賞選考委員の選評を引用しています。芥川賞受賞に至らなかった理由は、どうやら結末までの至り方が出来過ぎているということのようです。現実離れしているというよりも、芥川賞としては通俗的すぎるということでしょう。

    1999年に亡くなってしまったので、もう新しい作品は読めませんが、せめて記録に残っている作品を読めるようにしておいてもらいたいものです。
    青空文庫にならないかなぁ。
    | mats | 作品 | 00:20 | comments(0) | - |
    言語学の教室
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      このところあまり小説を読んでいません。
      今読んでいるのは、遅ればせながら 野矢茂樹, 西村義樹 著「言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学」 (中公新書)。
      おもしろいですねー。
      対談形式は読みやすいし、ところどころで要点がまとめられているので、自分の理解と記憶を確かめられます。
      とはいえ、一応、大学で言語学の授業を受けたり(かの千野栄一先生の講義。実はゴキブリラーメンの話以外はあまり覚えていない)英語学の本を読んだりしたことがあるから、なんとか理解できるのかもしれません。

      夏休みは少し小説を読みたいです。
      | mats | 作品 | 01:33 | comments(0) | - |
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