2013.06.09 Sunday
久しぶりです
デザインを変えてみました。
ふつうに見ても、字が大きく、書き込み範囲が広いので。
試訳の続きは夏休みに。
ふつうに見ても、字が大きく、書き込み範囲が広いので。
試訳の続きは夏休みに。
OUR STORIES英米文学の世界
2013.03.14 Thursday
「英雄」 by Joanna Trollope 試訳(2)
それはごく狭い場所で、今にも倒れそうな塀に囲まれ、冬なのに雑草だらけだった。五、六個ある墓石のほとんどはひどく傾いていたが、たったひとつ、よく手入れされたものがあった。周囲の雑草はざっと刈りとってあり、白い鉢に赤いジェラニウムが植えてあった。墓標にはこう簡単に刻まれていた:
エドワード・アーチボルド・キャンベル 1895-1957 英国殊勲賞、仏国軍功十字章 彼は長いことその墓標を眺め、それから地面を見た。その下にはエドワード・キャンベルが、夫であり英雄であり、軍政府長官だった男が眠っている。突然、彼は感謝の念に駆られ、しばしひざまずき、目を閉じた。彼の膝の下には、ただ男が眠るだけではない、物語が眠っているのだ。 2013.01.13 Sunday
「英雄」 by Joanna Trollope 試訳(1)
予定よりずっと長く島に留まってしまった。ただダラダラしていたということもあるが、母親も、付き合っていた彼女も、皆が間違っていると証明するためでもあった。小説を書くためにひと冬、地中海の島に引きこもるなんて、メロドラマみたいで陳腐だ、何週間かで嫌になるよ、とみんな言った。本なんか書けやしないよ。一人ぼっちで寂しいだけだよ。・・・確かにある意味では寂しかったし、シュロの木や、低木に覆われた丘にはもう、うんざりだった。小さな港ではいつもと同じ老人達がいつもと同じカフェのおもてに座り、いつもと同じ壊れかけた船が出たり入ったりしている。しかし彼は既にそんな島の風景にも、毎日のゆっくりしたリズムにも慣れてしまっていたし、とにかく、彼の小説は半分しか書けていなかった。7ヶ月間、ほかに何もすることがなく島で過ごしたあげくに、半分しかできていない小説を持ち帰ることになると思うと、国に帰る気持ちはすっかり萎えてしまうのだった。
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